ハーフスイングから
フルスイングへの移行
Published on 14 Jan 2015
ビジネスゾーンと呼ばれる腰から腰の振り幅のスイング練習を重ねている中田氏。ビジネスゾーンの精度を上げる練習は、この先も継続してやらなければならないと谷コーチは言う。ただ、限られた時間の中で次のステップへ進む必要があり、今回取り組むのが、ハーフスイングからフルスイングへの移行だ。トッププロや上級者は、打ち終わった後の姿が美しいという共通項がある。ハーフスイングの形はほぼ完成されてきた中田氏だが、フルショットするとミスも多く、スイングのバランスも悪くなる。谷コーチが言うには、クラブの動きを自分の意識で制御できるのは、腰から下のエリアだけとのこと。要するにビジネスゾーンなわけだが、腰から上のエリアのクラブの動きは自分では制御できないからこそ、クラブを振り抜いていく方向が重要なのだと言う。体に対して、どの方向にクラブを振り抜くか。ほとんどのビギナーは、ターゲット方向にヘッドを出したくなるので、体から手元が離れてしまう。そうなるとバランスの良いフィニッシュはとれない。自分の体に対してクラブと腕が巻きつくようにならなければならない。もちろん手先の動きではなく、正しい軌道で振った結果、体にクラブが巻きつくのが理想。腰から腰の振り幅は、どちらかというとフェースの動きを抑えることがポイントになったが、フルスイングとなると腕のローテーションが必要になってくる。振り抜く方向が正しければ、勝手にローテーションしてくれるわけだが、ある程度意識的に腕を返してやる必要はある。谷コーチの動きを見ながら、自身の動きを鏡でチェックする中田氏。正しい形を目で見てからのほうが、動きのイメージがしやすいという通り、コツが徐々につかめてくるとフィニッシュ時のクラブの収まりがよくなってきた。そこで気づいたのが、ヘッドスピードがさらに上がっていることだ。谷コーチは、クラブが動きたい方向に振ってあげることは、スイング中にクラブを減速させる動きが入らないということで、ハーフスイングよりもヘッドスピードは加速するのは当然。強靭な下半身を持つ中田氏なら、巨大なエンジンを積んでいる車のようなものだから、その使い方のコツさえつかめば、プロ並のヘッドスピードは簡単に出せるはずと言う。(文/出島正登)