より反復性の高い
パッティングストロークの習得
Published on 10 Sep 2015
4年前に初めてゴルフをしたときも、4年ぶりに今回のプロジェクトを始動したときも、中田氏のパッティングの距離感はすでに高いレベルにあった。サッカーでボールを狙った位置に蹴り続けてきた中田氏だからこそ備わっている感覚なのかもしれない。特に長いパットになるほど距離感が合うという非凡さがあり、それはグリーンが重くても速くても関係なく合うことには驚かされる。しかし谷コーチは機械的な要素をストロークの中に入れれば、中田氏が持つ感覚との相乗効果でさらに精度はアップすると言う。今回取り組んだのは、短いショートパットを同じリズムで打つこと。短いパットになるほど、入れたいという気持ちが強くなるので、インパクトが強くなるなど、思った通りのストロークができなくなる。同じリズム、同じ速さ、同じインパクトの強さでストロークすることがパッティングの反復性を高めるために必要なことだ。中田氏の場合、体全体で距離感を出す傾向があるので、どうしても下半身が動き過ぎてしまう。ショートパットのような小さい振り幅の場合、下半身の動き過ぎはストロークの精度を落とす要因になるため、肩を主体としたストロークの習得がテーマのひとつになる。肩を回転させるのではなく縦に使うのがポイントで、両脇でクラブのシャフトを挟んだ状態でストロークする。ヘッドがストレート・トゥ・ストレートに動くので、ショートパットの精度が格段にアップする練習法だ。加えて始動も大切なポイントになる。ショートパットのような小さな動きが必要なときほど、始動のタイミングの取り方は難しくなる。静かに始動できたときは、見た目にボールの転がりが良かった。加速しながらボールにコンタクトすることで、ボールが地面に吸い付いているかのようなしっとりとした転がりになると谷コーチは言う。「急激にヘッドを加速させたり、インパクトでゆるめることがボールの転がりを悪くする要因なんです。そのためには静かな始動で、等速でストロークする必要があるんです」と谷コーチ。このストロークをコースで実践できるようになれば、中田氏のパッティングはさらに上のレベルへステップアップすることになるだろう。(文/出島正登)