傾斜地でのスイングを
マスターする
Published on 02 Dec 2015
ゴルフコースには練習場のようなフラットな場所はほとんど存在しない。プロや上級者とアベレージゴルファーの差が最も顕著に表れるのが傾斜地からのショットだとも言われる。これまで練習場での反復練習をベースに、ラウンドレッスンなどを行ってきたが、練習場ではプロ級の球を放つ中田氏が、コースに出るとダフリやトップを連発する。その一番の要因は傾斜だと谷コーチは分析している。目では確認できないほどの傾斜でも、確実にスイングに影響を及ぼす。サッカーはフラットなフィールドでプレーするが、自身の重心を常にコントロールしているという意味では、傾斜からの打ち方の理論さえ理解すれば、中田氏にとってはそれほど難しいことではないと谷コーチは予測している。「もちろん練習は必要ですが、重心をコントロールする術に長けている分、コツをつかむのは早いと思います」。傾斜には「つま先上がり」「つま先下がり」「左足上がり」「左足下がり」の4つがあり、これに「つま先上がり&左足上がり」などの複合傾斜が加わってくる。傾斜地からのショットで重要なことは膝の柔軟性。膝をクッションにして、傾斜地でバランスを崩さないでスイングすることがナイスショットを打つためのポイントとなる。谷コーチの予測通りに、中田氏はこの膝を柔軟に使う術に長けていた。一般的にアマチュアゴルファーの多くはつま先下がりと、左足下がりを苦手としている。理由は、ボールが上がりにくい点や重心を低くしたままスイングしなければならない点にある。その部分で、下半身の筋力が強く、さらに柔軟性も高い中田氏は、この2つの傾斜でもなんなく打ちこなす姿に谷コーチも驚いていた。逆につま先上がりや左足上がりという傾斜ではミスヒットの確率が高かった。通常のショットに比べて、スイング軌道が変わるため、クラブがどのように動くのかがイメージできなかったのだろう。しかし、これもコツをつかむと、徐々に精度を上げていった。あとは傾斜の度合いでどれくらい飛距離が落ちるのか、どれくらいの曲がり幅になるのかを、ラウンド中に体で覚えていくことがテーマになる。傾斜地ショットのスキルが加われば、確実にスコアに反映されていくだろう。(文/出島正登)