ハワイゴルフ合宿篇①
250ヤード飛ぶドライビングアイアンを武器にする
Published on 15 Jul 2016
昨年2月の宮古島以来となるゴルフ合宿をハワイのオアフ島で行った。7月に北海道で行われる片山晋呉プロとのエキシビジョンマッチを見据えて、スコアを意識した内容となった。合宿の舞台となったホアカレイカントリークラブにはバンカーが114個もあり、さらに池絡みのホールも多い。ピンポイントにボールを運ばなければ攻略できない点では、今回の合宿の趣旨にぴったり。これまで谷将貴コーチとスイングの土台となる部分を固めてきた。その根幹となるクラブが7番アイアンで、飛距離、精度ともにかなり高いレベルに仕上がっている。7番アイアンの飛距離は約170ヤード、5番アイアンでは約190ヤードをマークする。正確性を重視するアイアンが中田氏の性格的にも合っていることは間違いない。そこでドライバーの代わりにティショットで多用するべく、ドライビングアイアン(アイアン型のユーティリティ)の精度を上げる練習を行った。精度はまだまだ低いものの、中田氏の頭の中に描いているスイングバランスで振れた時は250ヤード近くをマークする。これまでドライバーの練習も行ってきたが、ミスの度合いがアイアンとは別物になってしまう。ティショットでドライバーを使ってOBを打ってしまえば、その時点でダブルボギーがほぼ決まってしまう。それならアイアンで打って次の1打を打てるところにある方がパーのチャンスが残るというのが中田氏の考え。ドライバーを諦めたわけではないが、今の時点でスコアを最優先に考えたら、最善の策だと谷コーチも承諾。今回の合宿ではドライバーを封印し、アイアンのみでラウンドが行われた。「アイアンはスイング中にヘッドがどこにあるのかがわかるけれど、ドライバーになるとそれがどうしても感じられないんです」。ドライバーとアイアンの形状の違いではなく、長さやシャフトのしなり方の違いなどから、ドライバーはインパクトでスクエアにクラブが戻る感覚がつかめないと中田氏は言う。この感覚は当然ドライビングアインと5番や7番アイアンの間にも起こる。ドライビングアイアンの精度の低さはそこからきているため、とにかく球数をこなし、ラウンド数を増やすことで、実戦感覚を磨いた。谷コーチは、実際にティグランドに立ったときのロケーションで正確にアドレスできている時とできていない時があると言う。「特に池があるケースは、無意識にそこを避けようと体が反応してしまう。そこに関しては実際に体で感じながら覚えていくしかありません。その部分では今回のコースは非常に難しいですが、練習にはなると思います」。美しいスイングを目指してきた中田氏がスコアを意識しはじめた。今回のハワイ合宿ではバーディチャンスを増やすことよりもパーセーブの確率を上げるためのコースマネージメントにも積極的に取り組んだ。次回STORY27では、今の中田氏が考えるゴルフに必要なスコアメイク術をお届けします。お楽しみに。(文/出島正登)