ハワイゴルフ合宿篇③
ナイスショットとの境界線
成功確率の高いティショットを選択する
Published on 20 Jul 2016
ハワイ合宿も終盤へ入り、中田氏のドライビングアイアンの精度も日に日にアップしてきた。ただ、大きなミスが出るホールは1〜2ホール存在する。中田さんの場合、スコアが悪いホールはほとんどがティショットのミスがきかっけになっている。それがセカンドショットにも連鎖してしまう。得意のアプローチさえも上手くいかないケースが多い。しかし、言い換えればティショットさえ上手く打てれば、パーはもちろん、悪くてもボギーで抑えられる可能性は高い。片山晋呉プロとの対決もおそらくティショットが鍵を握るということがこのハワイ合宿では明確になった。谷コーチは「実際にコースに出るとロケーションの影響で練習通りに構えられなくなるものです。思い通りのスイングができないのは、アドレスが狂っていることがほとんど。おそらく中田さん自身も気持ち悪さを感じながらスイングしてしまった時にミスになっているのだと思います」。クラブの長さがあるドライバーは体とボールとの距離が遠いので、ターゲットに対してズレが生じやすい。少しのズレが大きな曲がりを生んでしまう。そこで中田さんが立てた対策がドライバーの封印というわけだ。アイアンであれば、仮に完璧なアドレスが作れていなくても、ドライバーほどの大きなミスにならない。次の2打目がグリーン方向に打てる場所さえあれば、どれだけ距離が長いホールでもパーのチャンスは作れる。中田さんのアイアンの飛距離であれば距離の長いパー5でも、アイアンで3回打てばパーオンできる。片山プロとの戦いはハンデ戦になる。それを考慮しても中田さんにはバーディよりもパーが必要に成るのだ。今回のハワイ合宿で、中田さんは高い確率でティショットでフェアウェイをヒットできるまでのレベルに仕上がった。またハワイでのゴルフで中田さんは「気持ち良くて歩きたくなるね」と言葉にしていたのが印象的だった。まだまだ思うようなプレーはできていなが、ゴルフの楽しさがわかってきたような気がするとも話している。今回のハワイ合宿で、中田さんは1日に2.5ラウンドした日も。片山プロとの対決に向けて限られた時間の中で、許す限りゴルフ漬けになれた。ドリームマッチはどのような戦いになるのだろうか。常夏のハワイから北の大地へと戦いのステージは移される。(文/出島正登)