〈スペシャル企画〉
中田英寿×渡邉彩香・宮古島ラウンド-後編-
Published on 08 Jun 2017
宮古島で実現した渡邉彩香プロとのラウンドの後半戦をレポートする。中田氏は現状感じている質問や疑問を渡邉プロにぶつけた。トップで切り返す時に、どうしても手から下ろしてしまう点や、アイアンの距離感の出し方など。それに対して渡邉プロも自身の経験からアドバイスを送った。渡邉プロは中田氏とは初対面で、もちろんゴルフをしている姿を見るのも初めて。その中で感心させられたのがヘッドスピードの速さと、アプローチの感覚だと言う。「1番アイアンが入っていることに驚き、それを打てることにも驚きました。普通はあんなにボールは上がらないですよ」。ロフトの立っているクラブで、ボールの高さを出すにはある程度のスピン量が必要になる。そのためにはヘッドスピードの速さは絶対条件。中田氏が使用しているのは厳密にはアイアンタイプのユーティリティのロフトを立てたものだが、渡邉プロ自身、2番アイアンは打ったことはあるが1番アイアンは未経験のこと。最終18番ホールで、中田氏の1番アイアンを見ながら「打ってみてもいいですか?」と興味を示した。結果は、フェアウェイをしっかりと捉え、飛距離も出ていた。渡邉プロも意外といいかもと好感触だった。「これだけ飛ばすことはできれば、確かにドライバーは必要ないと思ってもおかしくないですね」。この対決の前は、渡邉プロ自身、ドライバーの必要性を中田氏に感じさせることができればと思っていたようだが、中田氏の考えを聞き、プレーを実際に見たら、納得させられた様子だった。アプローチに関しては、中田氏は基本的な打ち方をこの2年でマスターしてきたが、どうしても機械的な動きではフィーリングが出せない部分があり、迷っていた部分がある。渡邉プロはボールへのコンタクトの仕方が本当に上手だから、ある程度感性に頼ってもいいのではと言う。このラウンドを機に、お互いが刺激を受けたことは間違いない。今度は対戦という形でまたこの2人のプレーを見たいものだ。(文/出島正登)