曲がらないティショット
ゲスト:竹村真琴
Published on 01 Jul 2017
約2年をかけて谷将貴コーチとゴルフスイングの基礎の部分に取り組んできた中田英寿氏。ゴルフへの理解度が深まり、スイングの大枠はほぼ完成した。そこで今回からは毎回ゲストを迎えて、中田氏が新しいテクニックを体験していく形式で新たにスタートする。第一回目のゲストは竹村真琴プロ。美人プロゴルファーとして人気のある彼女は、とにかく曲がらないドライバーショットを中田氏に伝授する。中田氏はドライバーを使用しないため、ドライビングアイアンになるが、長いクラブで方向性をアップさせる打ち方に取り組んだ。中田氏のティショットを見た竹村プロがまず驚いたのはヘッドスピードの速さ。「確かに普通にコースをラウンドするだけならドライバーは必要ないかもしれないですね」。数発打ち終わった後、竹村プロが中田氏にアドバイスしたポイントは腕の使い方。「腕に筋力のある人にありがちなんですが、上半身の力が強過ぎて、ヘッドが走っていないんです。まずは両足を揃えてスイングしてみてください。今の状態だと中田さんにとっては両足を揃えてビュンビュンと振れないはずなんです」。下半身の力や体幹の強さによって、ヘッドスピードは確かにプロ並みに速い中田氏だが、竹村プロ曰くそれでも腕を使えていない分、ロスしているというのだ。確かに中田氏にはインパクトでスクエアにフェースを戻す意識があり、それが振り遅れに繋がって右にプッシュする傾向が強い。「中田さんが球をつかまえられないのは、インパクトで体が開き過ぎているからです。それで振り遅れてしまう。もっと体の回転を止めて、腕が振れるようになると、ボールがつかまって、もっと楽に飛ぶようになると思うんです」。それに対して中田氏の感覚としてはどうしても左へ飛ぶイメージが湧いてしまうとのこと。そこで竹村プロが矯正したのが右ひじのポジション。「ダウンスイングで、どうしても上体が被って入ってしまうので、もう少しインサイドからヘッドを入れたいですね。右肘をインパクトでお腹の前に入れるつもりで振ってみてください」。竹村プロのアドバイスを受けて、数発打った中田氏のボールはやや左に飛ぶことはあったが、今までよりも確実に強い球質になっていた。竹村プロが指摘した体の開きが抑えられたことによって、ボールがつかまるようになったからだ。中田氏の感覚の中には、まだ左へ引っ掛かるイメージが残っているようだが、インパクトのタイミングが合い始めれば、だんだんと右に打ち出すことができてくるはずと竹村プロは言う。課題だったティショットでの右へのミスに対して、一つ練習すべき動きが明確になった。(文/出島正登)