トラブルショット!成功の秘訣
ゲスト:今野康晴
Published on 10 Sep 2018
今回のスイングタイムラインは千葉県の京葉カントリー倶楽部にて、ゲストに今野康晴プロを迎えて行われた。今回はラフや林の中からのショット、さらには正面に大きな木がある場合など、トラブル時の対処法について教えてもらった。今野プロ曰く、この季節のラフは芝の根が強いため、距離のコントロールが非常に難しくなるとのこと。「ラフの難しい点は飛びすぎたり、逆に飛ばなかったりする点です。特に中田さんのようにヘッドスピードがある人は、フライヤーというボールが飛びすぎる現象が起こるので、小さめの番手を持つ勇気が必要です。ラフから飛ばないケースというのは、ボールがかなり沈んでいるような状態の時に起こるため、まずはボールのライをしっかりと見極めることが重要になります」。ラフの中のボールのライは沈んでいるように見えて、浮いていたりすることもあるので、ボールが動かない程度にボールの近くにヘッドをセットして、沈み具合を確認することが大事だと今野プロは言う。「プロの場合は飛び過ぎることと飛ばないことのどちらを選択するんですか?」と言う中田氏の質問に対して、必ずフライヤーを計算に入れて飛ぶことを想定すると今野プロは断言する。飛ぶことを想定するのはアマチュアにとっては勇気がいる判断だが、グリーンの奥に外すくらいなら、結果的に飛ばなかったとしても手前からの方がいいと言うプロらしい判断だと言える。また林の中のラフから、低い球で出さなければならない状況では、打つ前のイメージ作りが大事だと言う。「ボールの近くで素振りをするとボールが動いてしまう可能性があるので、付近のできるだけボールのライに近い場所で素振りをします。これくらいの抵抗があるんだなと言うのを体で感じることで、イメージをスイングに落とし込むことができるんです」。実際にそのアドバイスを受けた後の中田氏は、低い球できっちりフェアウェイに脱出させることができていた。「素振りってやっぱり大切なんですね」と改めて納得していた様子。イメージ作りが大事なのは正面に大きな木がある場合も同じとのこと。「ボールの高低を出したいときは、できるだけ打つ前にスイングのイメージを固めてしまうことです。イメージをしたらあとはそのスイングを実践するだけ。イメージせずにいきなりアドレスしてスイングするのはただ球を打っているだけですから」。イメージというと形で表現できないものだから、どうもしっくりこない感じがあるかもしれないが、イメージするだけで体はそれなりにきっちり反応してくれるもの。それほど人間の体は優れているのだ。トラブルになった時ほど、自身の感覚を活かすための準備が大事だと今野プロは念を押していた。(文/出島正登)