〈スペシャル企画〉
ツアープロコーチ内藤雄士による...
中田英寿スイング徹底分析-前編-
Published on 03 Dec 2018
今回のスイングタイムラインは千葉県の千葉国際カントリークラブ(PGM)にて内藤雄士コーチをゲストに迎えて行われた。内藤雄士コーチは日本にプロコーチという概念を持ち込んだパイオニア的な存在で丸山茂樹プロを米ツアー優勝へ導いたことでも有名。多くのプロコーチを務めるほか、ジュニアの育成にも力を入れており、トーナメント解説やゴルフ番組など活躍の場は多岐にわたっている。そんな内藤コーチに今回はハイスピードカメラを使って中田英寿氏のスイングを分析してもらった。まず内藤コーチが着目したのはバックスイングの大きさ。「中田さんのスイングを見て感じたのはプレーンがしっかりとできていること。またバックスイングも非常にコンパクトでいいですね。バックスイングの形は関係ないと言うか、小さく上がっていても力が溜まって、いい位置に収まっていれば十分飛距離は出せるんだなと言う感想を持ちました」。中田氏自身も力を溜める感覚にはこだわっている。そこがいいショットが打てるときとミスショットになる時の差だと感じているからだ。スイング全体のバランスを見て内藤コーチが感じたことは上半身と下半身の運動量の違い。腕の力をできるだけ使いたくないと意識している中田氏だが、クラブを下ろすときには上半身の運動量が大きくなりすぎているという分析だ。そうなってしまう原因は、バックスイングの途中から腕でクラブを上げてしまっていることにあるとのこと。「ここで腕を使ってしまうと、結果的に切り返しでも腕を使ってクラブを下ろすことになります。全体的なプレーンは綺麗なのに、インパクトが安定しないのはその辺りに原因がありそうですね」。上半身と下半身の運動量を同じにすることがテーマだと内藤コーチ。その具体的な方向を後編では紹介していく。(文/出島正登)