軸スイングで
ナチュラルドローヒッターを目指せ!
ゲスト:矢野東
Published on 16 May 2019
今回のスイングタイムラインは千葉県にあるカントリー・クラブジャパンの練習場にて、矢野東プロをゲストに迎えて行われた。テーマは“スイング軸”。レッスン用語でよく使われるのが軸という言葉だが、この認識をちょっと変えるだけで、飛ばなくて曲がっていた球が、飛んで曲がらない球に変貌すると矢野プロは言う。「まず中田さんのスイングを見て感じた点は始動の仕方です。中田さんは腰を少し右にスライドさせながらテークバックをしています。実は自分も昔は中田さんと同じような体の使い方をして始動を行なっていました。でも、それだと軸がブレてしまうことに気づいたんです。右ひじを痛めて、昨年手術を行い、その間、スイングに関して色々と考えました。結果、気づいたことはいたってシンプルで軸に対して体は回転するだけと言うものなんです。極端に言えば、軸のことだけを考えていればいいんです」。軸に対して体を回転させる。言葉だけを聞けば簡単にできるように感じるが、軸の感じ方が大事だと言う。矢野プロ曰く、現状の中田氏のアドレスやスイングを見ると、体の中心に軸を感じているように見えると言うのだ。「軸っていうのは体の背中側に感じるもので、そこに対して体が回るだけです。要するに体の幅分だけはテークバックでは右に、フォロー側では左に動くのが軸を中心に回転しているということになります。中田さんの場合、頭を残そうとする意識があるせいか、テークバックで頭が下がって、その反動でインパクトで体が起き上がってしまっています。要するに軸に対して正しく体が回転できていないんです」。さらに矢野プロは軸の左右の傾きに関しても指摘した。「グリップをした時に右打ちの人なら右手が左手よりも下になりますよね。それを考えるとアドレスの時に少し状態を右に傾けるのが自然なアドレスということになるんです。その軸に対して回転するイメージを持つことです。中田さんに限らず、ほとんどのアマチュアの方は軸は地面に垂直だと思い込みがちです。それだと右肩が前に出やすく、結果、カット打ちなど悪い動きになりやすいんです」。プロのバランスよく振り切れるのは軸のイメージが明確だから。体幹や筋力の強さがなくても、軸のイメージが正しけば、ボールに対していつも同じ角度でコンタクトできるはずだと矢野プロは言う。体のメカニズムからスイング理論を説明してくれたことで、中田氏もなぜ右へのミスが出るのか、なぜいつも同じ距離が出せないかなどの疑問が解消したと話す。ちょっとしたイメージの持ち方を変えるだけで、プロと同じようなインパクトを実現できる。さらに打ち込んで、軸のイメージを確立させたいと中田氏も誓った。(文/出島正登)