宮古島ゴルフ合宿篇①
フォローでの左ヒジを引く動きを修正する
Published on 21 May 2015
今回からは雑誌「GOETHE」(幻冬舎)の特別企画として宮古島で行ったゴルフ合宿での内容をレポートする。中田氏と谷コーチが目指すのは美しいスイング作り。レッスンが始まった頃から課題だったのが、中田氏の左腕の動き。サッカーで左腕を怪我した経験がある中田氏は、アドレスしたときに左ヒジが外を向く状態になる。ゴルフのスイングではインパクトからフォローにかけて、左ヒジをたたみながらアームローテーションをしていく動きが入る。この動きがクラブヘッドを加速させて、さらに美しいスイングに見せる要因になるわけだが、中田氏の場合、左ヒジをたたむ動きができないため、思うようにヘッドを加速させられないでいる。谷コーチも、別のやり方でこの部分は修正していきたいと当初から話していた。その部分をこの合宿で治すことが谷コーチの頭の中にあった。中田氏の場合、トップアスリートとして培ってきた強靭な下半身があるため、アームローテーションを使わなくても人並み以上の飛距離を出すことができる。ただ、疲れが出たり、リズムが悪くなるとどうしても上半身の動きが強くなるので手打ちになる。当然、ミート率も悪くなるので、谷コーチは単純に飛ばすためではなく、さらに効率の良いスイングをするためにアームローテーションは必要になると言う。合宿では球数を多く打つことをひとつのテーマとして、今まであまり練習してこなかったドライバーにも取り組んだ。谷コーチは立て続けにボールをティに置き、中田氏が連続で打ち続ける。長いドライバーは遠心力が大きく、ヘッドに振られる感覚を最も感じやすいクラブ。何百球でも打ち続けられる体力を持っている中田氏でも、ある程度の球数を重ねれば、上半身(特に腕)に疲れが出て、脱力状態になってくる。そのときの動きこそ、アームローテーションを自然に使える状態だと谷コーチ。「中田さんの場合、手先も非常に器用なのでうまくボールに当てられるんです。ただ、それでは上手く飛ばないことは本人も感じているところで、ある程度体の感覚で、ヘッドを走る感覚を覚えてもらう。それが連続打ちの狙いのひとつなんです」。「この合宿で中田氏がどう変貌していくのか楽しみです」。谷コーチは自信ありげに話す。(文/出島正登)