〈スペシャル企画〉
中田英寿×渡邉彩香・宮古島ラウンド-前編-
Published on 28 Apr 2017
宮古島で実現した渡邉彩香プロとのラウンドの前半戦をレポートする。中田氏以上にこの機会を楽しみにしていたのが渡邉プロだ。女子プロの間でもサッカー好きとして有名で、日本代表戦を観戦に行ったこともあるほど。2016年はリオ五輪出場を目指したが代表選手には入れなかった渡邉プロ。日の丸を背負って戦ってきた中田氏に聞きたいことは山ほどあった。それに何より興味があったのはドライバーを使わないという噂。ドライバーを最大の武器にしている渡邉プロにとっては考えらえない選択に思っていたに違いない。緊張気味だった渡邉プロをリラックスさせたのは中田氏だった。ドライバーを使わない理由や、アプローチを得意としていることをサッカーに例えるなどして一気に打ちとけた。アイアンだけのゴルフの理由を話して渡邉プロを納得させたが、実際に彼女のドライバーショットを目の当たりにすると、その飛距離には驚いた様子だった。途中、意図的に渡邉プロのスイングを見ないようにした結果、自分の理想のスイングができたという場面があった。目の前であれだけのスイングスピードと飛距離を見せられたことで、多少なりとも飛ばすことの優位性を感じて、体に力が入ったのかもしれない。ただ、それでドライバーを打とうという方向に行かないのが中田英寿という人間の強さだ。逆にアイアンの精度を高める意思を固めた風にも見えた。渡邉プロがどんなボールを打つのかに興味はあっただろうが、それよりも聞きたかったのはパッティングに関してのこと。特に距離感の合わせ方に関して質問を重ねた。渡邉プロ曰く、もっとゆっくりストロークすることをアドバイスしていた。それが中田氏にフィットするかどうかは別として、今は様々なスキルを試してみるという作業が、最も上達を早める方法だと中田氏自身も感じている。次回もお互いのゴルフスタイルを理解し始めた2人のラウンド後半戦をレポートする。(文/出島正登)